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2008年05月06日

●第一次大谷探検隊 朝日新聞 ロシヤ人いよいよ注視

第一次大谷探検隊 朝日新聞 ロシヤ人いよいよ注視


さて車中では一行がどんなぐあいにロシヤ人に待遇されたかというと、

われわれが長く西ヨーロッパにいて、ロシヤの植民地を通ると、すべてロシヤの植民地を通ると、すべてロシヤの文物が劣っていることが目につくので、自然に内心軽蔑するようになる。

それがことごとにわれわれの言動に表われるとみえて、車中で少壮士官の気分を害したものか、ある日たいへんののしられて、いまにもビール瓶で頭を打たれそうになったこともあった。

またある時、停車場に着いて停車中、しばらくプラットホームを散歩していると、そこに新聞や印刷物の検閲事務所があったので、われわれがその前に立って見ていると、おおいに係官の譴責をうけ、ほとんど突き飛ばされんばかりにして立ち退きを命ぜられた。

またアンディジャーンに着いた時には、日本人がそれも何人もそろって多くの荷物をもって旅行するので、怪しく思ったものか、終始コサック騎兵が警衛していた。

そしてその翌朝出発の時、旅券を出せといわれ、また今日はどこへゆくかという訊問があったので、今日はバザールを見に行くと答えたところ、

その前に官衛(やくしょ)に来いと言う。そこですぐ行ってみると、バザールを見てはならぬと言い渡し、なお「お前たちはいったい何のためにこの地へ来たか」とのたずねである。

そこでロシヤの外務大臣から渡された旅券を出して見せると、それがフランス文で書いてあるので読めなかったとみえ、これは何だというので、いや、それをご覧になればわかる、われわれはけっして怪しいものではない、宗教上の視察のために旅行するものだと言ったところ、急いでフランス文の読める者を呼んできて読んでもらい、ようやく了解したとみえて支障なく許してくれた。


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